NEWS | サイエンス
2018.11.26 15:29
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、可動部のない飛行機の開発・飛行に取り組んでいる。プロペラやタービンはなく、「イオン風(ionic wind)」なる風力で飛行するもので、実験にも成功している。
このイオン風は、飛行中に生成される静かで強力なイオンの流れで、安定した飛行を維持させるのに十分な推進力を生み出す。化石燃料は必要なく、プロペラをもつドローンとも異なる新しいデザインで、きわめて静かに飛行できる。
翼が長い軽量のグライダーに似ており、重量は約5ポンド(約2.26kg)、全幅は約5m。胴体部にはリチウムポリマー電池と軽量の電力変換器を搭載し、4万ボルトで電気供給が可能。翼の下に水平に取り付けた正電極と負電極のワイヤに通電、そこでイオン風を起こして飛行する仕組みだ。
開発者の同大学准教授 スティーブン・バレット(Steven Barrett)氏は、子どもの頃に熱心に観た「スター・トレック」にヒントを得たという。同作のシャトルも可動部が見えず、騒音や排気もほとんどなく、軽々と飛んで行ったそうだ。まさに夢の飛行機が今後実用化されるかもしれない