ピニンファリーナがイスタンブール新空港の航空管制塔を設計
トルコ史を象徴する"ある花"を着想に

フェラーリをはじめとしてさまざまな分野でデザインを手がけるピニンファリーナ(Pininfarina)は、総合エンジニアリング企業・AECOM(エイコム)と共同で、2018年10月29日(月)に開港するトルコのイスタンブール新空港(Istanbul New Airport)の航空管制塔の設計を担当した。

同空港は、急増するトルコへの旅行客に対応するため、当初は年間9000万人、最終的には年間2億人の収容能力を有する世界最大級の国際空港。

上下2層からなる管制エリアがあり、管制官は360°の視界を一望でき、発光体や騒音に対する快適さは最適化されているという。

コンセプトは、航空宇宙分野や自動車分野からの影響とトルコの文化を喚起する要素を組み合わせたものだ。空港のフラッグシップとなる管制塔は、何世紀にもわたりイスタンブールのシンボルであり、トルコ史を語るうえで重要な文化的要素であるチューリップに着想を得た。

▲Photo by Muhammed Enes Yildirim/Anadolu Agency/Getty Images

この花の形をピニンファリーナのアイデンティティから再設計・再解釈。自動車デザインの深い知識、風洞モデリング、そして航空デザインで使用される空気力学的な形状からの強い影響に基づいている。

塔は風が彫刻したように楕円形で、下にある技術棟の形状と幾何学のすべての側面に影響を与えている。また、建物内部にも地元の建築物からの影響を見出すことができる。中央アトリウムにはトルコの歴史的建造物によくみられるような特注の天窓を設置、明るいモザイク状の光が空間を満たしてくれる。End