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2021.11.19 16:21
イギリスでは、徒歩や自転車などの「人力での移動(active travel)」のほかに、車が依然として有力な移動手段とされている。そこで、同国のカーディフ・メトロポリタン大学の研究チームが、ゲームを通じた車の減少と人力での移動の促進を目指した実証実験を実施した。
ウォーキングとサイクリングにゲームの要素を盛り込むことで、朝の車の交通量が53%も少なくなったという。
このゲーミフィケーションにおいて、参加者にはポイントやバッジ、賞品などを付与することで、学校や職場に人力での移動を促した。では、実際にどのようにゲームに参加するのか。そこで導入されたのが「Beat the Street」というシステムである。
2019年9月18日から10月30日までロンドンのハウンズロー区で行われたゲームでは、地域住民や区外から訪れた人は、区全体に配置されたデバイスにカードをかざすことでポイントを獲得することができる。
プレイヤーは2つのデバイスに連続してカードをかざすごとで、「人力での移動」が認められ、10ポイントが加算されることになる。もちろん、ズルをするなどの明らかな違反者はゲームから追い出されてしまう。
ゲーム期間となった6週間がおわると、最高得点を獲得した個人およびチーム(学校、コミュニティグループ、職場)を発表。スポーツ用品やクラフトグッズ、本と交換できるクーポンなどの賞品が贈られた。
また、参加者の多くはゲーム中にふだんよりもたくさん歩いたそうで、設置したカメラを使って確認したところ、よく混む道路を走行する自動車の台数の減少も確かめられた。週に30分未満しか体を動かさない参加者の割合も、ゲーム前の25%から18%に減少したそうだ。