日本人デザイナーによるドイツブランド『GHONGJORD』が
「ベルリンファッションウィーク」に出展

世界経済が混迷を極める中、ユーロ圏で唯一ドイツが踏ん張っています。そのドイツで、ドイツ政府とEUから支援を受けて、日本の若き女性デザイナーがバックとアクセサリーのブランドを立ち上げました。ブランド名は「GHONGJORD(ゴングジョード)」。創設者のオダさんが、ドイツ最大のファッションイベント「ベルリンファッションウィーク」に出展するというので、ヨーロッパ文化を研究している明治大学の虎岩直子教授とともに現地を訪れました。

ベルリンファッションウィークには、世界中の有名ブランドの未発表新作が集まる「プレミアム」と、
若手の登竜門的な「シーク」があります。どちらの会場も撮影厳禁だったのですが、会場入り口とゴングジョードの展示風景だけは、何とか撮影させてもらえました。ちなみにこのブランド名は、日本語の欣求浄土(ごんぐじょうど)に由来しているそうです。心の底から浄土を追い求めるという意味の仏教的な背景を持つモットーで、浄土=理想的な場所ととらえ、製品を通してその実現を目指すというブランドのスローガンであり、商標でもあります。

ゴングジョードの創設者でデザイナーのオダさん。ドイツのハレ美術大学工業デザイン科を卒業後、東京とドイツでプロダクトおよびグラフィックデザイナーとして活動している。写真/佐藤純也

取材後は、ベルリン在住のオダさんの案内でビアホールに行き、日本の若い力に期待を込めて乾杯しました。青年よ大志を抱け! 中年よ大器(大ジョッキ)を抱け!(文/二瓶一裕 東京大学非常勤講師・金沢美術工芸大学非常勤講師)