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2020.10.09 16:40
東京・JR大井町駅前に新しい公衆便所が登場した。品川区の設計コンペティションを経て、あかるい建築計画がデザインを手がけた。
同事務所によれば、公衆トイレのネガティブなイメージを払拭し、公衆トイレのあたらしい「かた」をつくり出すことができないか、ということがデザインの出発点になったという。
そして、「うつくしいまちの風景をつくること」「きれいに使いたくなるトイレをつくること」「これからの社会に適したトイレをつくること」によって、大井町駅周辺の街にふさわしい、清潔であかるく、誰でも快適に使うことのできる公衆トイレのデザインを目指したそうだ。
この界隈は、高層のホテルや駅ビルが建ち並ぶ一方で、中低層の飲食店や住宅も多く、敷地はその境目にある。そこで、街の2つのスケールを結びつけるように、高さ方向には都市的なスケールを、水平方向には身体的なスケールを持つ6つの塔のようなボリュームを分散して配置した。
さらに、塔のような形状による煙突効果によって自然換気を行い、トップライトから自然光を取り込むことによって、内部は明るく清潔感のある屋内環境とした。
敷地は線路至近で、夜間工事を抑えたり、仮設足場を設けないために、換気チャンバーやトップライト周りも含め、各棟をまるごと鉄骨工場で製作。厚さ4.5mmの鉄板で作った箱をリブで補強した構造としている。また、薄い外壁は見る角度や時間によって街や空の色をゆるやかに反射し、鉄板構造でありながらもやわらかな表情をつくり出している。
6つのボリュームはそれぞれ、個室トイレとし、それぞれに着替え、おむつ交換、パウダールーム、オストメイト、車椅子対応といった異なる機能をもち、性別を問わずだれもが自分の目的にあったトイレを選ぶことができる。