DIESELが抗ウイルス効果のある
ジーンズをスウェーデンの企業
POLYGIENEと共同開発

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

イタリアのジーンズブランドDIESELは、スウェーデンの企業POLYGIENEが開発した、ウイルス活性を抑える繊維加工技術「バイラルオフ(VIRALOFF)」を施したジーンズを発表しました。2021年春夏の発売を予定しています。

SPREADはこう見る

マスクなど衛生管理のアイテムだけでなく、普段着であるジーンズにもコロナウイルスに対応した製品が登場しました。バイラルオフに使用されている塩化銀が、ウイルスを構成するタンパク質に作用し繊維への付着を防ぎます。さらに繊維上のウイルスを2時間以内で99%減少させ、増殖を抑制。コロナを含むウイルス全般への効果が証明されており、生地が劣化しない限り効果は続くそうです。目に見えないレベルの加工であるため、見た目には従来品と変わりません。

POLYGIENEは、SARSの流行をきっかけに2004年からバイラルオフを開発していましたが、コロナウイルス対策として、ジーンズに施す技術は、DIESELとの共同開発により実現しました。また、POLYGIENEは、ジーンズの他にもコロナウイルス対策としてさまざまな抗ウイルス加工マスクの開発に協力しています。

抗菌加工については、日本の印刷業界でも具体的な動きがあります。ある製紙メーカーでは抗菌の用紙が開発されオンライン説明会が先日行われました。また、印刷した用紙に抗菌ニスをかける技術もすでに使用可能な状態にあります。

衣服や日用品の必須機能として「抗菌」が一般化するのは遠くない気がします。そういったアイテムが増えることで外出のハードルが下がる日が近づくかもしれません。まさしくいまがBeforeコロナからWithコロナの生活に移り変わる途中であることを実感します。End

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。