AXIS 152号
「まばたきの記憶」の
「目薬の銃」が、7月1日まで原美術館で展示されています

アーティストの鈴木康広さんによる連載「まばたきの記憶」が、7月1日発売号で7回目を迎えました。今回のテーマは「目薬と銃」です。

ところで、東京・品川の原美術館に鈴木さんの新作「募金箱『泉』」が完成。美術館の壁の一隅にあけられた小さなスリット、その暗がりにコインを投入すると、水の音が響くとともに“原美術館の泉”の映像が映し出され、募金した人のみが鑑賞できるという作品です。

コインの種類によって音や映像が異なり、また、その映像も随時更新されるそうなので、つい投入するコインの数も増えそうです(残念ながら、紙幣はNG)。

当初、その募金は原美術館の活動資金に充てられる予定だったと言います。しかし、この作品を寄贈した篤志家、アーティスト、原美術館は、年内に寄せられた募金はすべて被災地の復興支援のために寄付するとのこと。

そして、この作品の公開記念特別展示として、6月26日(日)〜7月1日(金)まで、原美術館 ザ・ホールにおいて、「募金箱『泉』」以外の鈴木さんの作品が展示されています。そのなかに本誌登場の「目薬の銃」も含まれているのです。

本誌内で鈴木さんが綴ってはいたものの、実際に手づくりした容器を目にすると、その丁寧なつくりに驚かされます。それに、点眼液の出るあたりはまさしく目薬の容器です。本誌でのスケッチとあわせて、下記の実物もご覧ください。

なお、「募金箱『泉』」は、7月1日以降も鑑賞可能ですので、お間違いなく。


▲ ザ・ホールの作品「目薬の銃」(2006年)と「水の切り株」(2007年)