ベルリンの病院の負担を軽減するため
国際見本市会場に500床の「Corona Treatment Centre」を設置

▲写真:NORDSONNE IDENTITY / transitfoto.de

新型コロナウイルスの感染拡大の抑制に成功したとされるドイツの首都ベルリンでは、メッセ・ベルリン(ベルリン国際見本市会場)内に「Corona Treatment Centre」が設置された。

建築設計事務所 Heinle, Wischer und Partnerが設計を手がけたこのセンターは、ベルリン市内の病院の負担を軽減し、入院中の重症患者の治療に集中できるようにするものである。

▲写真:NORDSONNE IDENTITY / transitfoto.de

センターには、集中治療を必要としない患者を収容。500床のベッドは、ホール26に設置された。そのうちの20%は、患者が重症化したときのために、最新の人工呼吸器を備えている。

レイアウトは、16~24床のモジュール式のクラスターと中央管理ゾーンに区分した。同事務所は、クラスターシステムの利点として、フレキシブルであることや他の場所にも設置可能なことを挙げている。また、医療従事者向けには、更衣室やオフィス、ラウンジを完備したモジュール式の構造物を展示ホールの外に用意した。

▲写真:NORDSONNE IDENTITY / transitfoto.de

▲写真:NORDSONNE IDENTITY / transitfoto.de

課題となったのは、患者と医療従事者のニーズをともに満たしながら、医療が機能する上での質をキープすることだったという。そして、この要件をクリアした、衛生管理と安全な労働が担保された施設ができあがった。

なにより、プロジェクトの迅速な実現が求められた。ゴール指向で直接的かつ正確なコミュニケーションを行うことで、通常のプランニングや調整プロセスを必要なものだけに絞り込むことができたそうだ。End