NEWS | サイエンス
2019.12.19 16:11
国際天文学連合(IAU)の創立100周年の記念事業のひとつ「太陽系外惑星命名キャンペーン(IAU100 NameExoWorlds)」の最終結果が発表され、日本に割り当てられた太陽系外惑星系には、恒星に「カムイ(Kamui)」、惑星に「ちゅら(Chura)」という名前が付けられることが決まった。
今回は、世界中の100を超える国と地域が参加し、1つの国・地域につき、1組の恒星とそれを周回する太陽系外惑星の名称を提案する機会が与えられた。その名称は、IAUの専門委員会によるさらなる審査を経て最終的に決定され、2019年12月17日に発表された。
日本には、かんむり座の方向にある恒星「HD 145457」と、それを公転する巨大ガス惑星「HD 145457 b」の命名提案が割り当てられた。この太陽系外惑星系は、国立天文台のすばる望遠鏡と岡山天体物理観測所(当時)188cm反射望遠鏡を用いた観測で、2010年に発見されたものだ。
「カムイ(Kamui)」と「ちゅら(Chura)」に共通するのは、日本における自然に対する尊敬と畏怖の思いだという。いずれの名称も消滅の危機にあるアイヌ語や沖縄・琉球語から選ばれており、2019年が国際連合の定める「国際先住民族言語年」であることも勘案した。
なお、このキャンペーンで決定された太陽系外惑星系の名称は、世界共通の公式な天体名として、今後も広く使われるそうだ。