NEWS | サイエンス
2019.07.12 13:28
火星の平野やクレーターを走るロボットは実現可能なものだが、火星やその先にある惑星で崖や南北両極、そのほかの行きにくい場所は探索できるのだろうか。
NASAが開発中の4足ロボット「LEMUR(Limbed Excursion Mechanical Utility Robot)」は、それぞれの足に16本の指をもち、さらにその先端に何百もの小さな釣り針をつけたもので、AIを駆使して周囲の障害物を見分けながら、岩壁をよじ登ることができるそうだ。
そしてこのLEMURをさらに応用して、新しいロボットも開発。「Ice Worm」は、LEMURの1本の足を改良したもので、シャクトリムシのように収縮・伸展させて進むことができ、硬い表面に穴を開けながら氷の壁を登ることができるという。
さらに、「RoboSimian」は、氷だけでなく、泥のような場所や崩れやすいところも移動できるローバーである。4足歩行にくわえて、這ったり、シャクトリムシのような動きをしたり、ペンギンのように腹ばいで滑っていくことも可能。
そのほかにも「Gecko Gripper」や「Underwater Gripper」、「Mars Helicopter」などを開発しているが、いずれもLEMURがもつ足や指、爪のような釣り針のグリップ能力がカギとなっているようだ。今後の火星などの探索にきっと活かされることだろう。