『廃棄物』を言い訳にしないデザインを募集 産廃サミットも同時開催

ナカダイにも新入社員が2名入り、新年度が始まりました。恒例のWORKOUT報告会(第7回コラム参照)も開催。そして、去年は震災のために自粛した花見ですが、いつもお世話になっている近所の皆さん、デザイナーなどたくさんの方に来ていただいて、盛大に行われました。あいにくの、雨でしたが……。

そして、昨年同様、「第2回産廃サミット」を開催します。今年はナカダイのメイン工場、現在はモノ:ファクトリーとして一般公開している前橋で行います。7月14日~7月16日。産廃サミットとは、中間処理業者であるナカダイに集まる廃棄物を、生産するための新たな素材として捉え直し、プロダクトやアートをつくったり、新たなビジネスを考えたりする自由参加の展示・販売・交流イベント。昨年は東京の多摩美術大学で行い、50組以上のデザイナーやクリエイター、学生が集結しました。初回はまずはつくってみよう、集まろう、交流を持とうということで開催しましたが、今年はそれに販売を追加します。モノ:ファクトリーはもちろんですが、石段の街として400年以上の歴史を誇る伊香保温泉の旅館でも展示、販売をしていただく予定です。

そこでデザインを募集します。

ナカダイはエコ活動を行っているわけではありません。ナカダイに運び込まれるさまざまな素材を生かして、新しい産業をにつながるビジネスを展開しようとしています。定量でもなく、定型でもない、いつでも手に入るわけではないという、今までのモノづくりの前提を全く無視した条件です。有限だからこそできること、普段目にしたことないモノだからこそ刺激されるアイデア、中間処理場という今まで立ち入ったことがない場所だからこそ湧き出る発想を募集します。

つまり、「廃棄物」を言い訳にしないデザインです。

プロダクトやアートに限りません。一緒にビジネスをしたい方、こんなことをやってみたい廃棄物業者、このイベントで食べ物を売りたい方、それぞれの得意分野で参加していただければ結構です。奮ってご参加ください。詳しくは下記へ。
http://monofactory.nakadai.co.jp/blog/topics/2012sanpaisummit/

今年は、マテリアルを1つ加えました。伊達政宗が建立した瑞巌寺のスギです。多くは樹齢100年以上の立派な木です。津波に浸かりましたが塩害はありませんでした。ただ、地下水位が上がったせいで、先端部分から枯れ始めていて、これまでに数本伐採しました。ロフトワークからお話しをいただき、量は少ないですがマテリアルに加わります。

話は変わりますが、去年の第1回産廃サミットは、西麻布工場、京都工場と工場シリーズに発展していきました。その集大成として4月26日~5月20日まで渋谷ヒカリエ8階で「ナカダイ渋谷市場」として期間限定オープンします。ここでは、マテリアルはもちろん、産廃サミットでつくられた作品が売られます。売上の半分は作家に還元。有限であるマテリアルから、有限の作品をつくつくり、販売する。いつでも手に入るものではないからこその価値を売ります。時代によって、季節によって、扱うマテリアルが違うからこその作品が並びます。

そして、それを販売したいカフェなども募集します。店で使われている家具がそのまま売りもの。もちろんカフェにも売上を還元します。このビジネスモデル、ナカダイも、作家も、カフェや居酒屋? すべてがWin-Winのビジネスです。

話が長くなりました。「第2回産廃サミット」へのご参加お待ちしております!(文/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。