SERIAL | ビジネス
2011.11.10 17:34
廃棄物屋のナカダイが、現在のビジネスのスタートを切ったのが、4年前。私の頭の中では、たくさんの可能性や手段がありました。ただ、難しいのは、その可能性を社員に伝えること。今までやったことがない管理方法に会社全体を切り替え、誰もやっていないビジネスをどう伝えて、どう共有するか。
なぜそれをしようとしたかという方向性と何を目指すかというビジョンは、ほとんど変化したいません。しかし、たくさんの方と話をし、いろんな情報が入るたび、ビジネスの可能性は広がり、形も変わっています。結果、社員に見えるかたちは、「こういうイベントをやりました」「こんなデザイナーが○○作成しました」になります。見え方が多様になるにつれ、会社が何をしたいのか・ 自分たちは何を求められているかがわからなくなり、意思統一がとれなくなってくるのが組織の常です。
なので、2009年4月から半期に一度「WORKOUT報告会」を行っています。式次第は次のとおり。
・前期の反省と結果、今期の目標(または、半期の進捗)
・新入社員内定式(歓迎式)
・各チームのQC・WORKOUT報告
・飲み会
場所はホテルの一室を借りきります。社長以下全社員出席、土曜の午後の約4時間を勉強会にあて、その後飲み会に移行します。つまり、半期に一度は全社員の勉強会兼飲み会があるということです。そして新入社員は入社する前年の10月に、必ず全社員と顔を合わせることになり、会社説明会では聞けなかった生々しい会社の方向性や実際の活動報告に触れることになります。
各チームのQCとWORKOUTの報告。QCは製造現場ではよく耳にする“改善”とほぼ同じですが、WORKOUTは“無駄の排除”です。改善し、無駄を排除することで、余力を新しいビジネスに振り向けるという流れをつくり出しています。最大の見せ場は、普段現場で業務に携わっている本人が、どういう状況で、なぜそれを改善しようとしたか、どう改善されたか、今後どう生かされるかを全社員に発表します。発表しなければならないので、少なくともその半年は継続した活動をしなければなりません。そして何より大事なのは、その改善が会社のビジョン、方向性に沿っているかということです。
これは、聞くとやるとでは大違いで、普段、私の話を聞いてわかったつもりでいる社員も、実際に文字に落とし、チームの課題と目標を共有し、その結果を発表しようとすると、手が止まります。そこで初めて、“理解”しようとします。“初めて”とあえて書いたのは、それまでの「聞いている」「わかってる」と、「理解」は次元が違うからです。これをある社員がやって、自分のものにして発表すると、他の社員の目の色が変わります。同時に、わかったようなふりをしている社員が発表すると、明らかに、「いや、あんた、何にも分かってないでしょ……」という発表になります。まさに上司、部下という立場を超えた戦いです。
今月の10月1日(土)に第6回を開催しました。社員の共有度がむちゃくちゃ上がってきて、一体感が出てきているのが手に取るようにわかります。そして、若手が自分の言葉で先輩たちに発表している姿は、とてもほほえましい光景です。株式会社ナカダイ、第57期がスタートしました‼(文・写真/中台澄之)
この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。